2013.4.13 / 動物科学ニュース
アレルギー疾患と消化管内寄生虫
寄生虫の感染が潰瘍性大腸炎,喘息,関節リュウマチ,食物アレルギー,1型糖尿病など
様々な免疫疾患からネズミを守った例が多く示されてます.
カリフォルニア大学の寄生虫免疫学者ロークは,ある男性の潰瘍性大腸炎が鞭虫卵の摂取により
明らかに改善していることを確認し,Science Translational Medicine誌に報告しました.
詳しい調査によると,寄生虫が腸内で粘液の生産を刺激することで治療効果を生じている可能性があるそうです.
これは以前から消化器学者と免疫学者が盛んに研究している治療法で,自己免疫性疾患の患者に鉤虫や鞭虫などの寄生虫をわざわざ感染させて症状を和らげようとするものです.
これらの寄生虫が生体内で生き延びるために,生体の免疫系を鎮静化させているという考えに基づいています.
多少抵抗があるかもしれませんが,ステロイドや免疫抑制剤を大量に使用し,
体に負担をかける治療法に比べると,より体に優しい自然な治療法のような気もしますね.