2013.7.10 / 動物科学ニュース
パパは若い方がいい?
1930年代の研究で、子供は母親より父親からより多くの遺伝子変異(悪い遺伝子)を伝えられる可能性が高いことが示されていました。
最近、Natureに発表された報告で、男性が子供を持つ年齢が、子に伝わる遺伝子変異の数を決定することが
明らかになり、父親の年齢が上るに連れて、その子供が、自閉症や統合失調症など、新規の遺伝的変異と関連する
疾患を発症する確率が上昇することが分かったのです。
これまでの研究でも、父親の年齢が高くなると、子供が自閉症と診断されるリスクが上昇すること示されていました。
また、このような新規変異は母親起源より父親起源である可能性が4倍も高いそうです。
その理由は、精子は前駆細胞の分裂により絶えず生産されているためで、その分裂の度に新しい変異が生じるのに対し、
女性は生涯に排卵する全卵子を持って生まれると考えられ、それにより子供に伝わる変異は少ないと考えられています。
(注)ただし、最近の研究では、女性の卵巣にも幹細胞が確認されている。
「柴犬は親が若いほどいい仔犬ができる」という話があるります。ペットでも、パパは若い方が有害な遺伝子を子供に
伝える可能性が低くなるのでしょうか?いずれにしても、イヌ・ネコのあまり遅くならないうちの去勢・避妊手術は
親子の健康のためにおすすめできますね。