2015.11.11 / 動物科学ニュース
免疫と腸内細菌の関係
オランダ・アムステルダム大学のハリスによると,ワクチン接種に対し正常に反応し,
良好な免疫を得る子供の腸内細菌はそうでない子の腸内細菌に比べ,多様で特に
免疫にかかわるフラジェリンという鞭毛を持つプロテオバクテリア門の細菌が
多いことが分かりました.また,エモリー大学の免疫学者プレンドンらは実験により,
鞭毛のある細菌がインフルエンザワクチンの効果を強めることを実証しました.
詳しいことはまだわかっていないようですが,プロテオバクテリア門の細菌は
いわゆる悪玉菌に分類され,異常に増殖すると体に悪さをします.これらの菌に
免疫を高める効果があるのだとすれば,大切なのは善玉菌と悪玉菌を含む
腸内環境のバランスなのかも知れません.
ちなみに可溶性の食物繊維には,善玉菌を増やし悪玉菌の異常増殖を抑制する働きがあり,
トータルで腸内環境を多様でバランスの取れた状態を維持する働きが期待できます.